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行政手続MCP 活用構想
デジタル庁が公開した「行政手続等の棚卸調査結果」の MCP サーバーを life に導入しました。国の法令に基づく行政手続 約76,000種類 を、所管・オンライン可否・使うシステム・添付書類・関係士業・ライフイベントの軸で検索・集計できます。この文書は、導入した中身の確認と、今後の調査・タスクに使える案の一覧です。
記事: 行政手続等調査データ(約75,000件)をMCPで自然言語分析可能に|デジタル庁(2026-08-13)/ リポジトリ: digital-go-jp/administrative-procedures-mcp(MIT)
76,275令和7年度 手続種類数
調査時点 2025-11-01
75,071令和6年度 手続種類数
年度比較用に同時取得
53.7%R7 オンライン化実施済の
手続種類の割合(R6: 48.4%)
4 toolslist / inspect /
query / summarize
導入したもの
ローカルで動く Python 製の stdio サーバーです。リモートのエンドポイントや認証はなく、配布ページからデータを取得して手元に Parquet で持ちます。life のどこから Claude Code を起動しても繋がるよう、life ルートに .mcp.json を置きました。
| 項目 | 内容 |
| クローン先 | projects/mcp-servers/administrative-procedures-mcp/(gitignore 済み・約40MBのデータを含む) |
| サーバー名 | admin-procedures(life ルート .mcp.json・project scope) |
| 実行系 | uv run --directory … python -m admin_procedures。Python 3.12 は uv 管理。MCP_NO_UI=1 で MCP Apps の UI リソースは無効 |
| 導入コミット | 653a58a(2026-09-04) |
| 動作確認 | initialize → tools/list → list_datasets → query_records(法人設立 11件)→ summarize_records(ライフイベント別)まで stdio で実測。2026-09-06 20:50 頃 |
| 手順書 | projects/mcp-servers/README.md(追跡対象。更新方法・使い方の勘所を記載) |
このデータで分かること・分からないこと
依頼文にあった「行政手続きの記録」とは少し性質が違うので、先に線を引いておきます。これは 手続の一覧表(棚卸し) であって、個人の申請履歴や様式そのものではありません。
入っている(46列・R7)
- 手続名・所管府省庁・根拠法令と条項号
- 手続類型(申請等/処分通知等/縦覧等/作成・保存等)と手続主体・受け手
- オンライン化の実施状況、未実施の理由、実施予定年度
- 使う情報システム名(e-Gov、e-Tax、登記・供託オンライン申請システム など)
- 年間手続件数(令和6年度の値)
- 添付書類(住民票・印鑑証明・定款…)、記載情報(マイナンバー・法人番号…)
- 代理できる士業、非オンライン時の本人確認手法、標準処理期間
- 個人/法人のライフイベント(引越し・結婚・法人の設立・事務所移転…)
入っていない
- 自治体の条例に基づく手続(転入届は「国の法令」なので入っているが、処理期間は「自治体により異なる」)
- 申請様式・記入方法・提出先の住所
- 手数料の金額(有無と納付方法はある)
- 個人の申請履歴・進捗
- 調査時点以降の制度改正
- 政府の公式見解としての保証(提供元は「技術検証目的のサンプル」と明記)
数字の読み方。「オンライン率」は手続種類数の比率で、件数ベースではありません。件数フィールドは R7 でも令和6年度の年間件数です。R6 と R7 は列構成とコード値が一部違う(R7 に法令番号がなく「一部実施済」区分もない)ので、年度比較は注記つきで。
実データの手触り
shika さんに関係の深いライフイベントで、実際に集計した結果です(R7、手続類型を問わない全手続種類数と、そのうちオンライン化実施済の割合)。
| ライフイベント | 手続種類数 | オンライン化実施済 | 備考 |
| 法人の設立 | 1,268 | 59.0% | 申請等に絞ると 1,079。うち実施済 658・未実施 337 |
| 事務所の新設・移転 | 1,444 | 61.7% | |
| 職員の採用・退職 | 889 | 47.7% | 社保・雇用保険の届は e-Gov で実施済 |
| 新しい事業の開始 | 5,101 | 59.5% | 許認可の一次スクリーニング向き |
| 入札・契約 | 467 | 47.8% | |
| 引越し(個人) | 771 | 44.0% | 転入・転出・転居届は「未実施」=窓口 |
| 住宅の購入・保有(個人) | 314 | 37.9% | 登記事項証明書の交付請求はオンライン実施済 |
| 結婚・離婚(個人) | 530 | 32.1% | |
| 税金(個人) | 2,550 | 47.4% | 青色申告承認申請は e-Tax で実施済 |
法人設立×申請等 1,079 手続を「代理できる士業」で展開すると、士業が介在しない 542/行政書士 154/弁護士 112/司法書士 59/税理士 24/社会保険労務士 18。設立登記そのものは司法書士、社保は社労士、という分担が数字にも出ています。
活用案
案番号は今後タスクや会話で参照するための識別子です。各案に「今すぐ使える」「一次情報で補う必要あり」の別を付けました。
A / 法人化(2026年10月に予定)
いちばん実利が大きい領域。手続名と所管と使うシステムを最初に確定させると、その後の一次情報探索で窓口を取り違えなくなります。担当: ひろし(asset)+りん(biz-secretary)
案 A-1法人設立
法人設立に必要な「国の手続」の棚卸しリストを生成する
法人の設立 × 申請等 × 手続主体に民間事業者等を含む、で絞り、情報システム別(登記・供託オンライン/e-Gov/e-Tax/その他)に振り分けた一覧を作り、順番と依存関係を付けて tasks/ に落とす。設立登記→法人番号→税務署の届→年金事務所、という流れが手続ID付きで残る。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(法人)=法人の設立, 手続類型=1 申請等 → summarize_records group_by 情報システム(申請)
- 限界
- 会社形態(合同/株式)ごとの要否はデータに無い。手続を特定した後、法務省・国税庁の一次情報で補う
今すぐ使える一次情報で補うassetbiz-secretary
案 A-2個人事業の終わり方
個人事業側で「やめる」手続を洗い出す
法人成りは「始める」手続だけでなく「終える」手続がある。青色申告の取りやめ届出、給与支払事務所の廃止届、消費税関連の届出などを、法令名=所得税法・消費税法で絞って抽出し、期限(処理期間欄と一次情報)とセットで A-1 のリストに合流させる。
- 使うツール
query_records q="取りやめ" / q="廃止" with 所管府省庁=財務省
- 限界
- 提出期限はデータに無い(処理期間はある)。国税庁のページで期限を確定する
今すぐ使える一次情報で補うasset
案 A-3士業の要否
「自分でやる/士業に頼む」の切り分け表を作る
A-1 の一覧を「申請に関連する士業」列で展開すると、士業が介在しない手続と、司法書士・社労士・税理士の領分が分かれる。自分でオンライン申請できるものを数え上げ、頼む部分だけを見積もり対象にする。法人化コストの試算(finance/simulations/)の入力になる。
- 使うツール
summarize_records group_by 申請に関連する士業, explode=申請に関連する士業, where 法人の設立
- 限界
- 「代理できる」であって「頼むべき」ではない。難易度はデータに無い
今すぐ使えるasset
案 A-4添付書類
添付書類の事前準備リスト(住民票・印鑑証明・定款の必要数)
「申請時に添付させる書類」列を法人設立の手続で展開し、どの書類が何手続で要るかを数える。住民票と印鑑登録証明書を何通取っておけばよいか、電子で出せるか原紙かも「添付書類等の提出方法」列で分かる。
- 使うツール
summarize_records group_by 申請時に添付させる書類, explode, where 法人の設立 → 該当手続を query_records で select 添付書類等の提出方法
- 限界
- 通数はデータに無い。「必要な手続数」を上限として準備する
今すぐ使えるasset
案 A-5社会保険
役員1名の法人で発生する社保・税務の定期手続を年間カレンダーにする
「職員の採用・退職」「定期的な報告等」に該当する手続のうち、健康保険・厚生年金・所得税の源泉に関わるものを抽出し、e-Gov/e-Tax で完結するかを付けて、月次・年次のルーティンとして tasks/backlog.md に置く。算定基礎届・法定調書のように毎年必ず来るものを、法人化前に把握しておく。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(法人)=定期的な報告等, 所管府省庁 in [厚生労働省, 財務省], order_by -総手続件数
- 限界
- 提出時期はデータに無い。日本年金機構・国税庁で補う
今すぐ使える一次情報で補うasset
B / マイホーム運用(2026年8月 購入済)
購入は済んでいるので、残っているのは「保有」側の手続と将来の出口。担当: たくみ(myhome)
案 B-1保有側の手続
購入後に残る手続と、オンラインで済むものの仕分け
「住宅の購入・保有」314 手続のうち、手続主体が国民等のものを抽出。登記事項証明書の交付請求(オンライン実施済・処理期間1日)や住宅借入金等特別控除の証明書まわりを、窓口に行くもの/オンラインで済むものに分けて projects/myhome/checklists/ に追記する。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(個人)=住宅の購入・保有, 手続類型=1 申請等 → group_by オンライン化の実施状況
- 限界
- 固定資産税など自治体の手続は入っていない。横浜市の一次情報で補う
今すぐ使える一次情報で補うmyhome
案 B-2引越し
引越し前後の手続を「窓口に行く日」単位に束ねる
「引越し」771 手続から、手続主体が国民等かつオンライン未実施のもの(転出・転入・転居届など)を抜き出し、同じ役所で同日に済ませられる組を作る。オンライン実施済のもの(車庫証明の OSS、社保の住所変更)は自宅でやる日に回す。今回の転居がまだなら即使える。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(個人)=引越し, オンライン化の実施状況=2 未実施, 手続主体 contains 国民等
- 限界
- 自治体独自の手続(水道・ごみなど)は無い
今すぐ使えるmyhomesecretary
案 B-3出口戦略
売却・賃貸に転じたときの手続を予習しておく
不動産登記の申請(司法書士・添付書類多数・処理期間3日)や譲渡所得に関わる税務手続を、今のうちに手続IDで一覧化しておく。出口戦略の文書(projects/myhome/)に「手続と所管」の節を足せる。
- 使うツール
query_records q="不動産" with 所管府省庁 in [法務省, 財務省]
- 限界
- 今すぐの実務ではない。低優先
myhome
C / 事業・案件(shushu ほか)
手続を「やる側」ではなく「市場として見る」使い方。担当: りん(biz-secretary)
案 C-1市場調査
オンライン未実施 × 高件数の手続から、民間ツールの余地を探す
オンライン化の実施状況=未実施で、年間件数が大きく、士業が介在しない手続を府省庁別に並べる。「未実施の理由」列(制度改正が必要/費用対効果が不明 など)と「オンライン化実施時期」列を見れば、いつまで紙のままかも分かる。SaaS の企画メモやプロダクト方針の壁打ち材料になる。
- 使うツール
query_records where オンライン化の実施状況=2 未実施, 手続類型=1 申請等, order_by -総手続件数, limit 100 → group_by オンライン化の実施予定及び検討時の懸念点
- 限界
- 民間が代替できるかは制度次第。データは「余地の候補」を出すまで
今すぐ使えるbiz-secretary
案 C-2新規事業
新しい事業アイデアごとの許認可の一次スクリーニング
「新しい事業の開始」5,101 手続を、事業アイデアのキーワード(例: 酒類、食品、古物、旅行、金融)で全文検索し、許認可・届出が要るかの当たりを付ける。projects/ideas/ の各アイデアに「関係しそうな手続」を早い段階で貼れる。
- 使うツール
query_records q=キーワード, where 手続が行われるイベント(法人)=新しい事業の開始
- 限界
- 該当0件は「不要」の証明ではない。0件のときはその旨を書いて一次情報へ
今すぐ使える一次情報で補うbiz-secretary
案 C-3受託・契約
法人として公的機関と契約する場合に要る手続を先に見ておく
「入札・契約」467 手続と、添付書類に「健康保険及び厚生年金保険の納入証明書」「決算書」が要る手続を突き合わせると、法人1年目に何が揃っていないと入札資格が取れないかが分かる。すぐ要る話ではないが、法人化直後の設計に効く。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(法人)=入札・契約 → summarize group_by 申請時に添付させる書類 explode
- 限界
- 各機関の入札参加資格要件そのものは無い
biz-secretary
D / 秘書の運用・タスク管理
MCP を「調べるとき」だけでなく「タスクの書き方」に組み込む案。担当: あおい(secretary)
案 D-1チェックリスト自動生成
ライフイベントを検知したら手続チェックリストを自動生成する
会話で「引っ越す」「法人化する」「子どもが生まれる」が出たら、対応するイベント列で手続を引き、手続主体が国民等/民間事業者等のものだけを日次タスクの候補として出す。tasks/daily/ の備考に手続ID・所管・情報システム名を残す運用にすると、あとから同じ窓口の手続を束ねられる。
- 使うツール
query_records where 手続が行われるイベント(個人|法人)=該当イベント, 手続主体 contains 国民等 or 民間事業者等
- 限界
- イベント列の充填率は個人 50%・法人 89%。個人イベント未記入の手続は拾えない
今すぐ使えるsecretary
案 D-2実行区分の判定
タスク一覧の「✅/👤」判定にオンライン可否を使う
秘書はタスクにエージェント対応可・ユーザー実施の区分を付けている。行政手続のタスクでは、オンライン化の実施状況が実施済なら「調査・下書きまでエージェント、送信は shika さん(🤝)」、未実施なら「窓口に行く(👤)」と機械的に判定できる。判定の根拠が推測から データになる。
- 使うツール
query_records select 手続名, オンライン化の実施状況, 情報システム(申請), 申請等における本人確認手法
- 限界
- オンライン実施済でも電子署名が要る場合がある(添付書類等への電子署名 列で確認)
今すぐ使えるsecretary
案 D-3年次の定点観測
自分に関係する手続のオンライン化が進んだら気づく
R6→R7 で全体のオンライン化実施済の割合は 48.4%→53.7% に上がった。関係する手続(A・B の一覧)を手続IDで固定し、次年度データが出たら apcli fetch して差分を取る。「去年は窓口だったが今年からオンライン」を検知して、チェックリスト(D-1)を更新する。
- 使うツール
query_records を R6/R7 両方に同じ 手続ID で投げて突き合わせる(手続IDは年度共通の体系)
- 限界
- 年度間で列構成・コード値が違う。比較は注記つきで書く
secretary年1回
E / 研究・発表
AIイベントでの発表計画と、PersonalOS の設計に効く副産物。
案 E-1発表素材
「ライフOS × 政府公開MCP」を発表の一章にする
秘書エージェントが公共データ MCP を経由して法人化のチェックリストを作る一連の流れは、発表の実演にそのまま使える。ログは sessions/ に残る。国交省データプラットフォーム MCP(mlit-dpf-mcp)と並べると「政府 MCP を2本、生活の判断に繋いだ」構図になる。
presentation
案 E-2設計の参照
dataset.yaml の「意味定義層」を PersonalOS の索引設計の参考にする
この MCP は、列の意味・許容値・欠損の意味・計算式を YAML に書き、LLM に生データを数えさせない。PersonalOS の実装計画にある「静かに壊れる」故障(日付の限定が黙って落ちる 等)は、まさに意味定義が索引側に無いことで起きる。inspect_dataset が充填率を返す設計は、索引の実効カバレッジを可視化する参考になる。
PersonalOSspec-guard
制定したルール
今後、秘書・専門エージェント・スキルが行政手続に関する調査やタスクを行うときは、この MCP を経由します。正本は life ルートに新設した CLAUDE.md(全エージェントが必ず読む場所)で、秘書スキルにも節を足しました。
行政手続に関する調査・タスクは admin-procedures MCP を経由する(2026-09-06 制定)
- 記憶や Web 検索から先に書かない。まず MCP で該当手続を引く
- 手順は inspect_dataset → query_records / summarize_records。列名・コード値は inspect の結果から使う
- 文書にはデータセットID・調査時点・取得日を添える。件数は令和6年度値、オンライン率は種類数比率
- MCP に無いもの(自治体条例の手続・様式・手数料額・個人の履歴・最新の制度改正)を MCP で断定しない。手続を特定してから一次情報で補い、出典を分ける
- 接続不能・該当0件は、その事実を観測時刻つきで書いてから代替手段に進む
更新・作成したファイル
.mcp.json — 新規。admin-procedures の接続設定(project scope)
CLAUDE.md — 新規。全エージェント共通ルール(上記)
.claude/skills/secretary/SKILL.md — 「12. 行政手続の調査は admin-procedures MCP 経由」を追加。起動時にエージェントへ渡す情報にも1行追加
projects/mcp-servers/README.md — 新規。導入手順・動作確認・使い方の勘所・更新方法
projects/mcp-servers/administrative-procedures-mcp/ — クローン(gitignore 済み)
.gitignore — クローン先を追加
research/technology/2026-09-06_admin-procedures-mcp-usecases.html — この文書
sessions/2026-09-06_204500_digital-agency-mcp/dashboard.md — 導入セッションの記録